初本塁打のホームランボールを手にする清原正吾
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 今月24日に開催されるドラフト会議まで、あと1週間。将来のスター候補生として、最も注目されているのが宗山塁(明大)だ。アマチュア球界№1遊撃手として攻守で能力がずば抜けており、1年目からレギュラーで活躍が期待される。この逸材について、真っ先に広島が11日、ドラフトで1位指名することを事前公表した。宗山は広島で生まれ育ち、広陵高(広島)出身と縁が深い。

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 ただ、在京球団のスカウトは驚きを口にしていた。

「広島の遊撃には今年頭角を現した矢野雅哉がいる。彼の守備能力は球界トップクラスです。三塁に回った小園海斗も本職は遊撃です。広島は宗山を指名しないかなと思ったのですが……。争奪戦覚悟で宗山を指名する球団もあると思いますが、他に良い選手がいるので一本釣りを狙う方針に切り替える球団が出てくるでしょう。今年は1位候補に逸材が多いですから」

 今年は大学・社会人に即戦力といわれる選手が多い。大学№1投手の呼び声高い金丸夢斗(関西大)も複数球団の指名が予想されるほか、中村優斗(愛工大)、西川史礁(青学大)、渡部聖弥(大商大)、篠木健太郎(法大)、佐藤柳之介(富士大)、伊原陵人(NTT西日本)らが1位候補として名前が挙がる。

 その中で、注目度でいえば宗山にも劣らない「主役級」の選手がいる。慶応大の4番に座り、メキメキ力をつけている清原正吾。西武巨人などで活躍した清原和博氏の長男だ。

 その球歴は異色だ。中学はバレーボール、高校はアメリカンフットボールに取り組み、野球から6年間離れていた。だが、慶大に進学すると、名門の野球部に入部する。入部当初はキャッチボールやノックの簡単な打球処理もままならなかったというから、この時点で4年後にNPBにプロ志望届を提出することを誰も想像できなかっただろう。2年秋に代打でリーグ戦に初出場し、3年終了時点では5試合出場で9打数1安打。成果は出せていないが、100人近い部員がいる中で、中学、高校で野球をしていなかった選手がリーグ戦に出場しただけですごいことだ。

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球団編成担当が明かす今の清原正吾の実力は?