大山の今季年俸は2億8000万円のAランクで獲得には総額15億円程度、佐野の今季年俸は1億5500万円のBランクで総額10億円程度が必要とされる。ともに獲得の場合は人的補償も伴うが、「FAで獲得するだけの価値がある素晴らしい選手」と評価は高い。

 大山は阪神の主軸として昨年の日本一に大きく貢献、最高出塁率(.403)のタイトルも獲得した。今季は開幕から不調が続き二軍調整も経験したが、一軍復帰してからは勝負強さを発揮している。

「阪神愛が強く残留濃厚とも言われるが、強い信頼関係にある岡田彰布監督の退任が決まったことで今後のことが分からなくなった。一塁、三塁、外野が守れるので両リーグの複数球団が獲得に動くのではないか」(在京球団編成担当)

 また、「茨城県出身で将来的には地元に近い関東の球団でプレーしたい思いがある」とされる。その場合はDH制もあってフル出場が可能なパ・リーグの西武岡本和真がポスティング制度を活用してメジャー挑戦した場合には巨人も獲得候補との一つと言われる。

 佐野は2020年に首位打者(打率.328)、2022年に最多安打(161安打)のタイトルを獲得。今季も熾烈なAクラス争いを演じたチーム内で中軸を任され攻守でチームを牽引しているが、FA権行使の可能性もあるとされる。

「昨オフの契約更改時、球団からは生涯契約に近い形の複数年契約を提示されたが固辞した。今季中のFA権取得を見越しての単年契約を結んだとされ、権利行使の可能性も高いとされる」(在京球団編成担当)

「(DeNAには)ドラフト9位入団から育ててもらった恩を感じている」と佐野本人は語る。しかし、優勝の2文字から遠ざかっている球団に対して歯痒さを感じているという。FA権を行使した場合、「外野しか守れないため、DH制のあるパ・リーグ球団が獲得に動くのではないか」(在京球団編成担当)と言われている。

「その他ではソフトバンク・甲斐拓也、阪神・坂本誠志郎、巨人・大城卓三の捕手3人の動向に注目したい。捕手に関してはどの球団も苦労しており、経験豊富な3人が権利行使した場合は争奪戦となり契約条件も高騰するだろう」(在京球団編成担当)

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