完全復活し優勝に貢献した菅野

「原監督は存在が大きすぎた」 

 9月28日の広島戦(マツダ)。菅野が8回1失点の快投、打線も16安打と爆発して8-1で快勝し、リーグ優勝を飾った。試合後の優勝監督インタビューで、阿部監督が語った印象的な発言がある。シーズン終盤まで大混戦のセ・リーグを制した理由を聞かれ、「全員同じ方向を向いてキャンプから始まったこと、誰一人そっぽを向かなかったこと。それだと思います」とかみしめるように語っていた。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は「阿部監督の発言の意図とは違うと思いますが」と前置きした上で、こう続けた。

「昨年の巨人はコーチ、選手が同じ方向を向いている雰囲気ではなかった。原前監督の存在が大きすぎて、モノを言えない。あるコーチは『原監督は凄い』と称賛するばかりで、選手のほうを向いているように感じなかった。イエスマンが悪いとは言わないけど、過剰すぎると選手たちは敏感です。一部の選手は嫌悪感を示して距離を遠ざけていました。他のコーチもこの雰囲気に冷めた態度を示していた。これでは勝てませんよね。阿部監督は一軍ヘッド兼バッテリーコーチとして中に入っていたので、色々思うことはあったでしょう」

 このコーチは昨季限りで退団後、YouTubeなどメディアを通じ、選手を批判する発言を繰り返した。期待の表れゆえに厳しい言葉が出たのかもしれないが、テレビ関係者は不快感を示していた。

「巨人が強くなってほしいという思いで野球評論家から厳しい意見が出るのは良いと思いますが、球団の内部情報をベラベラ話すのはルール違反です。そのコーチが今年、巨人の春季キャンプに来てYouTube撮影をしようとしたら、球団からNGが出たと聞いて納得しました。そりゃ、球団批判を散々された後にインタビューに来られても現場は選手を守ることに神経を使うでしょう。一部の選手たちは『どんな神経で来たんですかね。会いたくないです』と嫌がっていました」

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阿部監督はどう変わったのか