西武時代の清原和博氏

スケールの大きな選手をほしがる西武

 今季の最下位が確定した西武は、生え抜きの野手を育成する必要に迫られている。今季は貧打に苦しみ、2ケタ本塁打をマークした選手がゼロ。中村剛也、佐藤龍世の7本塁打がチーム最多だ。ドラフト1位で入団し、大砲として期待された大卒4年目の渡部健人は今季11試合出場で打率.030、0本塁打、0打点と結果を残せていない。中・長期的なビジョンで右の長距離砲は必要だ。

「西武は多少粗削りでも、スケールが大きい選手を獲得する傾向があります。昨年ドラフト6位で指名した村田怜音はその典型的な例です。皇學館大(三重県)で大学通算25本塁打を放ったスラッガーですが、全国的に無名のリーグで投手のレベルが高いとは言えない。2、3年後の一本立ちが期待されましたが、3軍スタートの春季キャンプからはいあがり、ファームで打率.348、2本塁打と好成績を残して、1年目から1軍で4試合に出場しました。清原も長距離砲として大きな伸びしろを感じると球団が判断したなら、指名を検討すると思います」(西武OB)

 ご存じの通り、父の清原和博氏は西武でプロ野球人生をスタートし、1年目で打率3割、30本塁打をマーク。高卒新人の歴代最高成績を残し、新人王を受賞した。長男の清原が西武に入団すれば、新たなストーリーが生まれる。ファンは心を躍らせるだろう。

育成枠で大量指名をするソフトバンク

 ソフトバンクは12球団で唯一の4軍制を敷き、ドラフトで育成選手を例年大量に指名している。育成枠で21年、22年はいずれも14人、昨秋のドラフトでも8人を指名。アマチュア時代に目立った実績がなくても、潜在能力の高さを評価されて獲得した選手もいる。今年4年ぶりのリーグ優勝に貢献した甲斐拓也、周東佑京、牧原大成、大関友久、石川柊太ら主力選手のほか、1軍で頭角を現した川村友斗、緒方理貢、石塚綜一郎、仲田慶介、尾形崇斗は育成出身だ。施設面を含めて野球に打ち込む環境が充実しており、「金の卵」たちの才能が次々に開花している。もちろん、激しい競争を勝ち抜いて1軍の舞台に立つ選手は一握りだ。実戦経験を積んで、清原が2、3年後に大成する可能性を秘めているか。ソフトバンクの評価が気になるところだ。

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