周りに迷惑をかけないことが前提ですが、自分で考えて行動することはすごく大事だと思います。私は高校を卒業していないので、長女の大学受験、次女の高校受験のタイミングが重なったときは多くのことに戸惑いました。子ども同士はピリピリ、親である私は「夏期講習はこんなにも時間とお金がかかるんだ」と金銭面だけでなく、受験そのものの現実を突きつけられました。私が協力できることはできるだけ長女と次女が勉強に集中できる環境を作ることだと思い、下の子たちを連れて出かけることもありました。夏は暑いので大変でした(笑)。

――ご主人は子育てにどう携われていますか

 私が仕事で忙しいときは、夫が子どもたちを連れてキャンプに連れて行ってくれたり、自然と触れ合って全力で遊んでくれたり。良い形で役割分担ができていると思います。

――4人の子育ては濃密な時間だと思います

 言葉では言い表せないほど大変なことがたくさんありますが、幸せをたくさんもらっています。かわいくて仕方ないんですよ。言うことを聞かないときもたくさんありますが(笑)。すごく大事にしている言葉があるんです。母が逝去して9年が経ちますが、亡くなる2日前にメールでやりとりをしていました。「子どもの部活の試合、負けちゃった」と伝えたら、母が「残念だったね。けど、がんばったから褒めてあげてね」と返事をくれて。それが最後のメッセージでした。

 言葉の意味を自問自答していたのですが、「褒めるってすごく難しいな」と改めて気づかされました。子どもに限らず、褒められてうれしくない人はいないじゃないですか。相手の良い部分を見つけて褒めることで自分も幸せになる。思いやる気持ち、優しさってとても大事だなって。母の言葉は今も大切にしています。

(聞き手・平尾類)

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