こうしたレギュラー陣に、season24からは、会計係・加瀬淳(加藤諒)、シーズンゲストとして新人警察官・新開颯太(鈴木福)が加わる。さらに魅力が広がったと中村氏は言う。

「マリコをはじめ不動のレギュラーキャストと新しいキャストが、どんな人間模様を織りなすかは、大きな注目ポイントの一つです。特に映画『翔んで埼玉』などの怪演が光る加藤諒と、老若男女問わず多くの人から愛される好感度俳優・鈴木福のキャスティングは絶妙で、二人がどんな芝居を見せてくれるのか想像しただけで楽しみが広がります。

 この顔ぶれだけでもマンネリを打破する効果は大いにあると思いますし、加藤諒や鈴木福と同世代の視聴者層の流入も見込めるかもしれません」
 

マリコは変わらない

 科学は“普遍”のテーマだが、マリコを25年間も演じる沢口靖子は“不変”だ。

 1999年にドラマがスタートした25年前、当然ながら沢口靖子は34歳。白衣を身に着け、難解な事件を鋭い観察力で紐解いていくクールビューティーさは、あの頃のままというのが大げさではないほど、マリコはマリコのままだ。

「デビュー作である映画『刑事物語 潮騒の詩』(1984年)から、ほとんど変わっていない」と言う中村氏。沢口靖子の“不変”は、34歳でマリコを演じるよりもはるか前から始まっていたということになる。恐るべし、沢口靖子!

「科捜研の女」が始まった1999年のころの沢口靖子。陶器のようななめらか肌が美しい、そしていまも変わらない。第24回菊田一夫演劇賞=1999年4月19日

 そんな沢口靖子にとってマリコは“はまり役“だと、中村氏は分析する。

「彼女の美しさが、“科学”という普遍的なジャンルに見事にマッチしています。いつまでも変わらない清潔感があり、凛とした芯の強さを感じさせる表情を持っており、まさにロングランドラマにぴったりのキャスティングだと思います」
 

 25年も続いたドラマだからではなく、マリコは沢口靖子とは切っても切り離せないものになっている。そのことも、こうして長く愛されるドラマの理由だと中村氏は言う。

「主人公が変わらない=同じだと、単純に安心感・安定感が生まれます。視聴者心理的にも『あの人が出ているから』ということで、継続的な視聴習慣へとつながります。特に年齢が高い視聴者ほど、『この曜日のこの時間にテレビでドラマを見る』というライフスタイルが根づいていると予想され、おのずとドラマに安定感を求める傾向にあるのではないでしょうか」

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