FA権を保有している全選手が阪神に残留するのではないか。生え抜き選手たちは球団への愛着は強い。感情的なもつれができた岡田監督の来季去就も微妙になったことで、『もう一度、阪神で優勝しよう』と一致団結し始めている」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 阪神以外にも当然注目されるプレイヤーがいる。特に今のプロ野球では投高打低が顕著であることから、得点力を上げるべく打撃力の高い野手に人気が集まりそうだという。

「(今オフのFA選手で)気になるのがDeNA・佐野恵太の動向。今季中のFA権獲得が確実視された昨オフ、球団からの複数年契約を固辞して単年契約を結んだ。権利行使の可能性もあるのは間違いなく、その場合は複数球団による争奪戦になるでしょう」(在京球団編成担当者)

 佐野は2016年のドラフトで下位指名(9位)での入団ながら、2020年に首位打者(打率.328)、2022年に最多安打(161安打)のタイトルを獲得するなどリーグ屈指の安打製造機に成長した。今季もリーグ11位の打率.277、同8位の120安打をマークするなど安定感のある打撃を披露している。グラウンド外でのキャプテンシーも高く評価されており、仮に権利を行使すれば獲得に動く球団は少なくないはずだ。

「(佐野の獲得について)最も熱心といわれるのが巨人。外野手では2022年ドラ1の浅野翔吾など若手が育ちつつあるが、まだまだ心許ない。丸佳浩も年齢的に完全にベテランになっており、同じ左打ちの外野手として佐野は打ってつけの人材」(在京テレビ局スポーツ担当)

DeNAの佐野恵太。FAとなれば、巨人が獲得に動く可能性もある

 また、佐野に関しては指名打者制のあるパ・リーグにも興味を持っている球団が多いと言われる。

「佐野は日本一への思いが強い。DeNAはエンタメに力を入れることで、球場演出やファンサービスが選手の負担になっているとも聞く。球団から勝つための本気度を感じなければ、移籍の可能性もあるのではないか」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 他には今季パ・リーグで圧倒的な強さを発揮しているソフトバンクの右腕・有原航平、正捕手の甲斐拓也。巨人ではリリーフ左腕・高梨雄平、俊足外野手・重信慎之介が国内FA権を取得。打てるの捕手の大城卓三もこのままいけば権利取得が濃厚であり、その去就に注目が集まるが……。

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FA移籍で“生き返りそう”な選手は?