25歳の三原舞依は、幼い頃から共に練習してきた坂本とは親友同士でもある。難病や体調不良により何度かキャリアの中断を余儀なくされてきた三原だが、一昨季はグランプリファイナル優勝、世界選手権出場と、最高の結果を残した。しかし昨季は右足首の怪我のためグランプリシリーズ中国杯を欠場、去年11月のNHK杯が初戦という遅いスタートになった。それでも全日本選手権では底力をみせて5位に入り、四大陸選手権代表に選ばれた。今季は万全の状態で臨み、実力を発揮することが期待される。

 一昨季はスケートカナダで優勝してグランプリファイナルに進出、世界選手権にも出場してシンデレラガールとなった渡辺倫果の武器は、トリプルアクセルだ。昨季はグランプリシリーズ中国杯で銀メダルを獲得、全日本選手権では6位に入って四大陸選手権代表に選ばれた。四大陸選手権ではフリーでトリプルアクセルを成功させ、銅メダルを獲得している。22歳になった渡辺は今季、ショート・フリーで計3本のトリプルアクセルを組み込むことを目指す。

 また21歳の住吉りをんは、3位に入った昨季のグランプリシリーズ・フランス杯で、4回転トウループを成功させている。これは、国際スケート連盟公認大会では日本女子初の快挙だった。また、昨季の全日本選手権でショート2位発進した21歳の山下真瑚も、飛距離のあるジャンプを持つ。

 それぞれの武器を磨く日本女子が、ミラノへの道程となる今季に臨む。(文・沢田聡子)

沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。フィギュアスケート、アーティスティックスイミング、アイスホッケー等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。2022年北京五輪を現地取材。Yahoo!ニュース エキスパート「競技場の片隅から」
 

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