今シーズン飛躍が期待される吉田陽菜
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 10月18日(現地時間)にグランプリシリーズ第1戦・スケートアメリカが開幕、フィギュアスケートの2024-25シーズンが本格的に始まる。2026ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場枠がかかる世界選手権(来年3月、アメリカ・ボストン)が行われる今季は、五輪プレシーズンとしても重要な意味を持つ。日本女子も、2026年五輪を見据えて今季に臨む。

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 現在世界選手権3連覇中の坂本花織は、日本のみならず世界を牽引する存在だ。昨季は国際試合で全勝しており、頭一つ抜けた強さをみせている。坂本自身ラストと考えているという2026年五輪には、集大成の大会として臨む。3度目の五輪に向け、24歳の世界女王が今季どんな戦いぶりをみせるのか、注目される。

 昨季世界選手権代表の千葉百音と吉田陽菜は共に19歳で、リンクメイトでもある。木下アカデミーに所属する二人は、京都府宇治市にある木下アカデミー京都アイスアリーナで練習している。

 千葉の魅力は、伸びやかなスケーティングとたおやかな表現だ。2023年四大陸選手権で銅メダルを獲得した千葉は、昨季を前にして地元・仙台を離れ、京都に拠点を移す決断をした。シーズン前半のグランプリシリーズでは力を出し切れなかったが、運動誘発性ぜんそくと診断され治療を開始したところ、調子が上向きに。全日本選手権では2位で表彰台に上がり、四大陸選手権では優勝した。4回転トウループにも挑戦しており、新たな武器も手に入れようとしている。

 中学一年生の夏にトリプルアクセルを成功させた吉田は、腰椎分離症のためリンクから離れた時期もあったが、困難を超え着実に歩み続けてきた。昨季はグランプリファイナルのフリーでトリプルアクセルを着氷させ、銅メダルを獲得。表現面でも元来のキュートな魅力に加え、ここ数年は独自の個性を確立しつつある。インターナショナルスクールで磨いた語学力を生かし、通訳なしで海外メディアに対応する姿には、世界を見据えて準備してきたことが感じられる。

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三原舞依、渡辺倫果らも五輪出場目指す