チャンスが生かせない渡部健人
西武・渡部健人も来季を保証されている立場ではない。桐蔭横浜大からドラフト1位で指名されたのは4年前。西武が野手を1位指名したのは13年の森友哉(オリックス)以来、7年ぶりだった。体重115キロの立派な体格で中村剛也、山川穂高(ソフトバンク)の系譜を継ぐ長距離砲として期待され、新人の21年にイースタンリーグで16本塁打、64打点で2冠に。昨年は1軍で自己最多の57試合出場で打率.214、6本塁打とブレークの足掛かりを作ったかに見られたが、今季は10試合出場で打率.032、0本塁打、0打点。イースタンリーグで83試合出場して打率.268、10本塁打、46打点をマークし、今月3日に1軍昇格したが、同日のオリックス戦で初回2死満塁の好機で中飛に打ち取られるなど、4打数無安打3三振と結果を残せなかった。
「長距離砲は覚醒するまで時間が掛かるので我慢が必要ですが、渡部の場合はチャンスを与えられてもなかなか生かせなかった。今年はファームで打撃好調でしたが、4カ月近く昇格できなかったのは、打席内容を見て1軍の投手に対応するのは厳しいと判断されたのでしょう。貧打に苦しむ西武打線の中で頭角を現してほしい選手ですが、残りのシーズンで結果を残さないと立場が厳しくなる。歴史的大敗を喫した西武は今オフに戦力の大幅な刷新を断行する可能性があります」(西武を取材するメディア関係者)
結果を残さなければ、淘汰されるシビアな世界だ。今季も残り試合は20試合前後。優勝争いとは別に、選手たちの生き残りをかけた戦いが続く。
(今川秀悟)