黒目を動かす「黒目ふるふる」。にぎりこぶしを顔の正面から横へ、上下にも動かし、目だけで追う(写真:小山幸佑)

 日中は仕事でパソコン作業、夜も寝る寸前までスマホを手にしているなど、朝から晩まで画面を凝視している、という人も多いだろう。それは、ピントを調節する「毛様体筋」がずっと緊張している状態でもあるという。

「毛様体筋は自律神経で首の後ろの筋肉とつながっていて、長時間凝視して目を酷使すると、首こりや肩こりも引き起こします。意識的に黒目を動かすことが必要です」

庄島さんがオススメする「黒目ふるふる」は、顔の正面でにぎりこぶしをつくり、ゆっくり左右に動かし、目だけで追うもの。顔の横でもこぶしを上下に動かし目で追う。それぞれ3往復でOKだ。これをするだけで、首の可動域が広がるのを実感する人が少なくないという。

ほかにも、いすや床に座って、10~20秒足を揺らす「ヒザふるふる」も簡単に体をほぐせる。

また、パソコン作業など1日中指を突いてばかりという人には、指の第1関節をもう片方の手でつかんで伸ばすように折り曲げる「指ひっぱり」も効くという。

これからプレゼンなどを控え、いますぐに疲れを取りたいときには、「ふるふる」をして、最後に背伸びをするといいという。

「背伸びはスイッチを入れてくれます。一方、朝起きたとき、疲れがたまりすぎていると背伸びをしなくなる。朝起きて背伸びをするかどうかも疲労度のチェックになりますね」

庄島さんは言う。

「簡単なものばかりですが、どれもパフォーマンスを上げる体の土台づくりです。疲れにくい体づくりには、充電バッテリーの容量を大きくするか、減った分をこまめに充電するかが大切です。筋肉を揺らすことによる土台づくりは、その両方にアプローチできますよ」

(編集部・深澤友紀)

庄島義博さん(しょうじま・よしひろ)/1978年、福岡県生まれ。コンディショニングトレーナー、柔道整復師。五感を使った身体調整メソッド「BODY PREPARATION(ボディプリパレーション)」を開発・提唱し、アスリートのパフォーマンスをアップ、不調のある方々を改善へと導く。著名な歌手やトップアスリートからの信頼も厚く、サポートした人数はのべ3万人を超える(写真:小山幸佑)

AERA 2024年9月9日号に加筆

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