今季が来日7年目の日本ハム・マルティネス(写真提供・北海道日本ハムファイターズ)
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 プロ野球のペナントレースも各チーム100試合以上を消化し、優勝争い、クライマックスシリーズ(CS)進出争いも大詰めを迎えている。そろそろ来シーズンに向けての話題も増えてくるが、ここから重要になるのが今年で契約が切れる外国人選手ではないだろうか。特にここ数年は野手の苦戦が目立つが、来季も残留の可能性が高い選手を探ってみたいと思う(成績は8月20日終了時点)。

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 まずセ・リーグではヤクルトのサンタナとオスナがシーズン途中に複数年契約を結び、来季以降もプレーすることが決まった。それ以外で当確ランプが点灯していると言えるのがオースティンだろう。過去2年間は怪我に苦しんだが、今シーズンはここまでチームトップの20本塁打を放つなど鮮やかに復活を遂げた。82安打のうち半分以上の43本が長打というのは見事という他ない。打率.298、出塁率.371というのも素晴らしい数字で、得点圏打率.379とチャンスに強いのも魅力だ。今年が3年契約の最終年だが、4年目の契約オプションは球団が保有していると言われており、そのまま残留となる可能性が極めて高いだろう。

 続いて残留の可能性が高そうなのがカリステ(中日)だ。来日1年目の昨シーズンは47試合の出場で38安打、5本塁打に終わったが、2年目の今年は開幕直後からヒットを量産。ここまでいずれもチーム2位となる87安打、6本塁打を放ち、打率.284と見事な成績を残しているのだ。打率の割に出塁率が.315と高くないのは気になるものの、内野も外野も守れるユーティリティ選手というのも貴重である。よほど条件面で揉めることがなければ、チーム残留が基本線となりそうだ。

 その他ではいずれもシーズン途中に加入した巨人のヘルナンデスとモンテスも残留の可能性が高いのではないだろうか。ヘルナンデスは8月11日の中日戦(バンテリンドーム)での守備で左手首を骨折して登録抹消となったが、それまでは56試合に出場して打率.294、8本塁打、30打点と活躍。7月に加入したモンテスもここまで17試合の出場ながら3割を超える打率をマークしている。ヘルナンデスは今年で30歳、モンテスは今年で28歳と年齢的にまだ若いのもプラス要因と言えるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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