パ・リーグでは昨年のホームラン王であるポランコ(ロッテ)が複数年契約を結んでいるが、チームメイトであるソト(ロッテ)も残留が基本線ではないだろうか。打率は.265とそこまで高くはないものの、101安打、69打点はチームトップの数字であり、14本塁打とまだまだ長打力も健在だ。来年で36歳という年齢は気になるところだが、これ以上の成績を残せる外国人を探してくるのは簡単ではないだけに、貴重な存在であることは間違いない。

 パ・リーグの他球団で生き残りそうな選手としては日本ハムのマルティネスとレイエスの名前が挙がる。マルティネスは打率.235ながら11本塁打を放ち、50打点は万波中正と並んでチームトップタイの数字である。今年で28歳とまだまだ若く、日本の野球をよく知っているという点もプラスだ。レイエスは開幕当初は不振だったが、夏場から一気に調子を上げ、8月は打率.378、4本塁打と活躍。シーズン通算の打率も.258まで上昇しており、12本塁打は万波に次ぐチーム2位の数字だ。豪快なスイングとは裏腹に研究熱心という点でも知られており、日本の野球に対応してきた点も評価できる。

 それ以外では育成選手出身のセデーニョ(オリックス)がまだ若いだけに残留の可能性がありそうだが、それ以外の選手はかなり厳しい状況と言えるのではないだろうか。特に昨年日本一に輝いた阪神のノイジーとミエセスは全く存在感を示すことができておらず、残留となったことは成功とは言い難い。ただ一方で昨年限りで広島を退団したデビッドソンが韓国リーグでホームランを量産し、残留させるべきだったのではないかという声もあることは事実だ。各球団がどんな判断を下すのか、オフの大きな注目ポイントとなるだろう。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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