バレーボール男子・高橋 藍:準々決勝では16得点に加え、安定した守備でもチームに貢献。今秋始まる国内のトップリーグ「SVリーグ」のサントリーサンバーズに加入する(写真:代表撮影/JMPA)

 そして第4セットに入って石川、オポジットの西田有志がブロックに捕まり始めると、高橋が攻撃の主役となった。まさに高橋にはバレーボールのエッセンスがすべて詰まっていた。

 彼らの海外での経験が昇華し、敗れてなお、日本のバレーは美しかった。だからこそ、あの試合をモノにしたかった。ただ、粘り腰のイタリアを見た時、向こうが一枚上手だったことは間違いない。では、何が足りなかったのか? 去年の時点でブラン監督は話していた。

「ブロック。日本はブロックの力が列強に比べてまだ足りない」

 準々決勝のブロックポイントはイタリアが15に対し、日本が2。やはり高い壁は存在した。

 日本が階段を上がるために必要なのは、ミドルブロッカーでも石川、高橋のように「ヨーロッパで必要とされる人材」が出てくることだろう。一朝一夕には出てこないことは承知している。しかし10年前、石川と高橋のような選手が登場するとは誰も想像していなかった。いつか、救世主が登場するかもしれない。(スポーツジャーナリスト・生島淳)

※AERA 2024年8月26日号より抜粋

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