また酷暑の中ではあるが、球児は甲子園では意外と快適な環境で試合に臨んでいるという意見も。実際に甲子園で試合をしたこともある元球児も、むしろ地方大会の方がしんどかったなど、甲子園での試合だから特別、過酷ではなかったという感想を持つ選手もいるようだ。

「NPBの本拠地球場である甲子園のダグアウトとベンチ裏は寒いほど空調が効いている。これは地方大会でも使用される神宮やZOZOマリンも同様。選手の健康面を考えるなら、それ以外の地方大会の会場(特に老朽化した球場)にエアコン設置の義務化を求める方が先ではないか」(高校野球に詳しいスポーツライター)

 そして、甲子園ではなくドームでやるべきだという意見には一つ大きな視点が欠けている。それは毎日厳しい練習に耐え、甲子園を目指している球児たちの思いだ。先述のように甲子園ではなくドームで試合をすべきというのも、“酷暑対策”としては理にはかなっているが、甲子園は高校球児にとって“聖地”。甲子園でプレーすることに意味を見出している球児も決して少なくないはず。子供の時から高校球児が甲子園でプレーする姿を見て、いつかあの球場でプレーしたいと思って野球を始めた選手たちの意見も決して無視してはいけないだろう。

サッカーでは英国のウェンブリー・スタジアム、テニスも同国のウィンブルドンなど、各競技には伝統と格式のある聖地がそれぞれ存在する。健康面などを重視する識者の意見も非常に重要だが、競技者がその場所を目指す思いを尊重することも大事なはず」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 もちろん、選手たちの健康をなにより優先しなければいけないのは誰も否定できない。ただ、夏の甲子園の開催に関して何かを大きく変えるにしても、球児や関係者の声に耳を傾けながら進めていくのが非常に重要となってくるはずだ。

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