しかし、前出の閣僚経験者は、
「この2人に加えて、石原伸晃、中谷元両氏も同じ昭和32年生まれで、昔から毎月のように会食するほど親しい仲です。石破氏の弱点は、自前の派閥がすでにないこと。岸田首相が旧岸田派から推薦人をあてがうことはありうる。また、かつての平成研(茂木派)で今も石破氏を慕う議員がいる。石破氏の強みは国民的人気。派閥の重しもなくなり、衆院選を考えて石破氏のもとに集まる議員は少なくない」
として推薦人の確保は問題ないとの見方を示した。
一方、石破氏と同様に人気が高いのは小泉氏だ。
これまでの総裁選では、石破氏や河野氏の「応援団」として戦ってきた。環境相を務めた後は岸田政権では影が薄かった。
誘いに乗らなかった小泉氏に変化が
その理由について旧二階派の国会議員は、
「小泉氏は夜、一杯飲みませんかという誘いに本当に乗ってこない。いくら人気があっても『あいつ付き合い悪いな』となれば議員の間でも話題にならなくなる」
と話す。それが今年7月くらいに変化が表れたという。
「議員同士で飲んでいたら小泉氏も『参加したい』というので、本当か?と思ったら、マジで来た。お父さんの純一郎元首相と同じで、やっぱり人を引き付けるオーラがある。派閥もグループもない小泉氏ですが、総裁選の話になると『来るときがくれば』とやる気は十分でしたよ。人気はある意味、石破氏以上でしょう。小泉氏も親しい議員と作戦を練っていると聞いています」(旧二階派議員)
そして、石破、小泉両氏に次ぐのが河野氏だ。2021年9月の総裁選では党員票は169票を獲得し、岸田首相の110票を上回ったが決選投票では敗れた。河野氏は21年も含めて過去2回、総裁選に出馬しており、いずれも所属している麻生派からは全面的な支援を得られない中で20人の推薦人を集めてきた。
麻生派の国会議員は、
「麻生派が派閥として2回とも河野氏をバックアップしなかったのは、当然、麻生太郎会長が『まだ早い』という意向だったから。しかし、他の派閥は解消となって、過去2回とは情勢が違っている」
と話した。
そして岸田首相を麻生氏とともに支えてきた幹事長の茂木氏も総裁選への出馬意欲を示している。しかし、麻生氏は「支援できない」と断ったと報じられた。