現在、佐藤教授と河内さんは、緑茶やコーヒー、紅茶、ミネラルウォーターなど、多くの人が口にする他の飲料にも研究を広げているという。まだ、丁寧な検証が必要ではあるが、ブラックコーヒーでは菌の増殖が抑えられる傾向があり、紅茶はメーカーによって違いが見られ一概には言えないという結果が出ている。

 河内さんは、「研究を進めていき、ゆくゆくはペットボトル飲料を飲んだ後の安全性の基準や目安を提示したいと考えています」と話す。

 ただ、食中毒などの健康被害に遭う可能性はゼロではないため、不安に思う人もいるだろう。佐藤教授は冷蔵庫保管が難しい場合には、口をつけずコップなどに移して飲むことを勧めている。

「口をつけて飲むと口腔内細菌が飲料内に入り、飲料によっては菌が増殖するものもある。なので、気になる方はそもそも口をつけて飲まないというのが基本になると思います」

 ペットボトルに取り付けるコップや折り畳み式のコップなどが市販されている。こういった商品を利用して、より安全性を高め、夏場の冷たい飲料を楽しむのもいいかもしれない。

(AERAdot.編集部・唐澤俊介)

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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