“役”を全うしようとする責任感
エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、玉山の魅了についてこう分析する。
「ジャンルでは戦隊ヒーローシリーズから朝の連続テレビ小説、大河ドラマまで制覇し、キャラクターでは徹底的にハードボイルドな次元大介からナンセンスの塊とも言える赤塚不二夫まで演じきる。実在する人物であろうとなかろうと、シリアスな作品からコメディー、ラブストーリー、そして時代劇と、これだけ多岐にわたって演じられる俳優は他に類を見ません。きっちりと自分に与えられた“役”を全うしようとする姿勢と責任感、それを支える確かな演技力と表現力に、非常にプロフェッショナルなスピリッツを感じます。デビューからおよそ四半世紀に渡って最前線に居続けることもすごいですが、若い頃よりも30〜40代での活躍ぶりがより加速している印象を受けます。きっと彼ならどれだけ年齢やキャリアを重ねようとも、どんな作品、どんな役であろうとも、存在感を発揮してくれるでしょう」
「笑うマトリョーシカ」ではストーリー展開で重要な役割を担う玉山。先が読めない展開とともに、彼の重厚な演技力も楽しみたい。
(高梨歩)