古川大晃さん(撮影/米倉昭仁)
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 あんな出来事があった、こんな話題があった…と記事で振り返る「あのとき」。昨年の8月ごろに、多く読まれていた記事を紹介します(この記事は2023年8月29日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【ランキング】箱根駅伝2023・エントリー選手の出身高校ランキング

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 来年100回を迎える「箱根駅伝」。記念大会のため参加資格が広げられ、全国の大学が出場できる。大会を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は昨年6月、例年20校の出場枠を23校に拡大することに加え、予選会で敗退した大学の選手で構成されるオープン参加の「関東学生連合チームは編成しない」ことを発表した。ところが今、学生連合チームが編成されないことについて疑問の声が上がっている。東京大学と東京工業大学を中心とした8つの大学は関東学連の決定を覆すためのプロジェクトチームを今年春に結成し、関東学連との話し合いが続けられている。中心メンバーの一人である東京大学大学院生の古川大晃(ひろあき)さんに話を聞いた。
 

 古川さんが来年の箱根駅伝で学生連合チームが編成されないことを知ったのは今年1月3日だった。その日、古川さんは関東学生連合チームのメンバーとして、第99回箱根駅伝に参加していた。

「チームを解散した後、関東学連の駅伝対策委員会の人などから『来年は全日本の連合チームも編成しない可能性が高い』と聞かされて、『えっ』と思いました。関東学生連合チームがないことは承知していましたが、『全日本学生連合チーム』まで編成されないとは思っていませんでした」

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