同期のドラ1も移籍で奮闘中
根尾と同期で日本ハムにドラフト1位で入団した吉田輝星も、昨オフにオリックスに電撃トレードされて話題になった。日本ハムでは22年に51試合登板と救援で頭角を現したが、先発で勝負を誓った昨季は状態が上がらず3試合登板のみ。だが、環境が変わった今季はオリックスのリリーバーとして奮闘している。33試合登板で2勝0敗8ホールド、防御率4.23。登板を重なるごとに表情が晴れやかになっているように感じる。チームの一員として投げられる喜びを感じているのだろう。
現役ドラフトでも細川成也(中日)、大竹耕太郎(阪神)、水谷瞬(日本ハム)と伸び悩んでいた選手たちが、移籍を機に大輪の花を咲かせている。
仮の話になるが、根尾をトレードや現役ドラフトで獲得した場合に、どのような起用法で可能性を引き出すか――。パ・リーグ球団の編成担当は、「現場の要望と本人の意向をすり合わせることが大前提になりますが」と前置きした上で、こう続けた。
「リリーフ一択でしょう。24歳という年齢を考えると、大学・社会人から入団する感覚に近いので即戦力を求めます。今から野手に戻して育てるというのはちょっとイメージがわかない。『投手・根尾』を考えると球種が多いわけではなく制球力で勝負するタイプではないので、先発よりも短いイニングを投げる救援のほうが向いているように感じます。もちろん今のままでは厳しいですが、直球の強さを取り戻せば十分に勝負できると思います」
根尾自身も危機感を当然抱いているだろう。ファームで結果を残し、再び1軍で勇姿を見せられるか。このままでは終われない。終わってほしくない。
(今川秀悟)