酷暑の夏、公園の遊具が高温になっていることも少なくない(写真はイメージ/gettyimages)
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 観測史上、最も暑い年になる可能性があるといわれる2024年の夏。外出時に注意すべきは、熱中症だけではない。炎天下、高温になった公園内の遊具で子どもがやけどをする恐れがあるのだ。

【写真】 アチチチチ…真夏の滑り台は70℃超えも

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自動車のワイパーで「やけど」

 厳しい暑さが続いていたある夏の昼下がり、2歳の娘が、停車中の自動車のワイパーにうっかり触った。

 娘の手のひらはみるみる真っ赤になった。母親がその日のうちに娘を連れて皮膚科に駆け込むと、すぐに「やけど」と診断された。娘の手には、水ぶくれがくっきりできていた。幸い傷は残らなかったが、もう少し対応が遅れていたら、娘に傷痕が残っていたかもしれない――。そう考えると、肝が冷えた。

 道路のマンホールやアスファルト、自転車のチャイルドシート。

 真夏の屋外では、長時間、直射日光にさらされ、やけどをするほど高温になっているモノがたくさんある。大人に比べて皮膚の薄い子どもはやけどしやすく、かつ重症化しやすい。

気温30℃で60℃、40℃では70℃

 中でも注意したいのが、強い日差しで熱せられた公園の遊具だ。

「滑り台、アスレチックなどの公園遊具は、気温30℃のときに約60℃、気温40℃のときに約70℃になるといわれています」

 こう屋外のリスクを説明してくれるのは、溝の口駅前皮膚科(神奈川県)など3つの病院で総院長を務める皮膚科専門医の玉城有紀医師だ。

「近年は、日本でも35℃以上を観測することが増えているため、特に注意が必要です」

金属は温度が下がりにくい

 遊具にはプラスチック、金属、ゴムなど様々な素材があるが、特に金属の場合、一度上がった温度が下がりにくく、リスクが高まるという。

「やけどが重症化すると細菌感染を引き起こしたり、傷痕として色が残ったりする場合があります。子どもの場合、大人に比べて注意力が散漫で、熱さを感じても他のことに気を取られたりすると症状に気づくのが遅れがちです。また、『痛い?』と聞かれてもよく分からない子も多いようで、少しでも赤くなっていると感じたら早めに冷やすことが肝心です」(玉城医師、以下同)

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砂場では低温やけども