皮膚科専門医の玉城有紀医師

子どもが遊ぶ前に、親が遊具の熱を確認し、触れる面積が小さい場合は冷たいタオルで拭くといった予防も有効だという。

砂場は「低温やけど」に注意

 ただし、「触っても熱くなかったから」といって油断はできない。なぜなら、40~50℃の低い温度でも「低温やけど」が起こる危険性があるからだ。

 低温やけどは、湯たんぽや電気毛布などの長時間使用で起こることがある。長時間、同じ部位にあてることで、やけどの症状が出る。

「たとえば、砂場がそこまで熱くなっていない場合も、子どもが夢中になって長時間遊び、低温やけどをすることがあります。石のベンチは大人でも注意が必要です。ポカポカして気持ちいいからと座ったまま長時間話し込んでいると、いつの間にかお尻に低温やけどの症状が出る可能性もあります」

 高齢者、特に糖尿病患者は傷が治りにくく、合併症により足の感覚が鈍くなっていると痛みになかなか気づかないこともある。完治まで3~4カ月を要することも珍しくないという。

「傷口に消毒薬・ガーゼ」はNG

 やけどは深さによってⅠ~Ⅲ度に分類される。Ⅰ度は赤み、Ⅱ度は時間が経つと水ぶくれができるのが特徴だ。Ⅲ度は患部が褐色や白色、または黒色に変化し、皮下組織まで傷害が及んでいるため痛みがない。Ⅱ度やⅢ度は時間が経ってから病院に行く人も多いが、玉城医師によると、自己判断で誤った対応をしてしまう患者が後を絶たないという。

「消毒したり、ガーゼや包帯でグルグル巻いたりすると、かぶれて余計に症状が悪化したり、治りが悪くなったりします。水ぶくれが気になる人も多いですが、細菌が入ってしまうので極力触らないこと」

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応急処置は「冷やすこと」