生理用品ブランド「ソフィ」のディレクターを務める長井千香子さん(以下、画像はすべてユニ・チャーム提供)

学校でナプキンを替えるのは大変

 だからこそ、一番身近な同性である母親から「みんな我慢しているよ」と“我慢リレー”のバトンを渡されてしまうと、非常につらく感じることがあります。生理痛は、母親が軽くても娘は重いというケースは珍しくありません。

――生理に関する症状は遺伝しないのでしょうか。

 諸説あり、初経のタイミングは遺伝の影響を受けることがあるという研究結果もありますが、経血量の多さや眠気、イライラなど生理にまつわるトラブルは、後天的な要因が大きいとされています。痛みに対する敏感さや体力には個人差があり、親子間でもさまざまなちがいがあります。

 このちがいは体調だけに限りません。たとえば、大人は自分の都合でトイレに行きやすいですが、学校で過ごす子どもはナプキンを替えられるタイミングが限られており、生活環境が異なります。また、昔は「生理は恥ずかしいもの」とタブー視されていましたが、現在では友だち同士で気軽に話題にしたり、YouTuberが生理用品について説明をしていたりと、生理に対する価値観も変わってきています。

――子どもが抱える生理の問題に、企業としてどのように取り組んできましたか。

 当社は、10代向けの生理管理アプリ「ソフィガール」を提供しています。自分一人で体調の波に対処することが難しい小学生の親御さんのニーズに応えるため、アプリには生理周期を親子で共有できるペアリング機能を搭載しました。

 特に受験や試合など大事な日に生理が影響して精一杯頑張りきれないと、本人も、その姿を見る親もつらい気持ちになります。しかし、その日どんなコンディションになるのか事前に把握できれば、生理痛に備えて鎮痛剤を用意するなど準備が可能です。体調を予測・可視化できるアプリは、生理の問題を軽減するための第一歩として考えていただけるかもしれません。

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5秒で装着 “はさむ”生理用品