生理の悩みを一人で抱えこんでいる小中学生は多いという。画像はイメージ(GettyImages)
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 学校が夏休みに入り、普段より親子で話す機会が増えた家庭も多いはず。だが、娘と「生理」についてオープンに話せる家庭は、どれほどあるだろうか。子どもたちの生理事情について啓発活動をしている、衛生用品大手ユニ・チャーム(本社・東京都港区)Japan Brand Management部FC Brand Management部、部長の長井千香子さんは「生理のトラブルを母親にも相談できず、一人で我慢している子は多い」と話す。実は我が子が直面しているかもしれない、「小中学生の生理の悩み」について、長井さんに話を聞いた。

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――小中学生たちは、どのような生理の悩みを抱えているのでしょうか。

 調査をすると、本当に様々な悩みが出てきます。たとえば、「生理周期が不安定なので、いつ来るか分からなくて不安」「生理の時は、体育の跳び箱の授業が嫌だ」「試験前なのに勉強に集中できなくてイライラした」など。

 一方で、悩みを抱えている子の約半数が、「誰にも相談していない」と回答している実態があります。

――母親にも相談できないのですか。

 普段、「ナプキンがなくなったから買ってきてほしい」といった話はしても、深い話になると恥ずかしがってしまい、なかなか話せない子は少なくありません。思春期には、「そもそも親と話をしたくない」という気持ちを抱える子もいるでしょう。しかし、さらに深刻なのは、お母さんに相談しても「病気じゃないし大丈夫だよ」と流されてしまうケースです。

 大人でも、生理のつらさって相互理解が得られないことはありますよね。男性に「生理でつらい」と伝えると、自分に経験がないために「そうなんだ、じゃあ休んだら?」と受け入れられやすい一方で、女性同士になると「そんなに痛いの?」「自分だけつらいって卑怯じゃない?」と思われることもあります。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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生理のトラブルは遺伝ではない?