オールスターゲームが終わり、後半戦に突入したメジャーリーグ。各球団がポストシーズン進出を目指す中、一際大きな注目を集めるのが、大谷翔平(30、ドジャース)だ。AERA 2024年8月5日号より。
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投打の二刀流で前人未到の成績を残し、異次元の領域を歩んでいる。昨年は44本塁打でアジア人初のタイトルを獲得し、メジャー史上初となる2度目の満票MVPに輝いた。今年のオールスターを現地で取材した元プロ野球選手で現在はMLB解説者で野球評論家の多村仁志氏は、3回無死一、二塁の好機に弾丸ライナーで右翼席に運んだ先制の3ランに衝撃を受けたという。
「大谷とプレーしたい」
「バックネット裏の5階にある記者席で見ていたのですが、インパクトの瞬間に『カパーン!』ってもの凄いインパクト音が聞こえてきて。『今の音は何だ?』って記者席で話題になっていました」(多村氏)
大谷は今回でメジャーのオールスター出場が4回目。脚光を浴びたのはオールスターで自身初アーチを放った瞬間だけではない。試合前から一挙手一投足を複数のカメラが追いかける。本塁打競争に出場したチームメイトのテオスカー・ヘルナンデスを取り囲み、ゲレーロ・ジュニア(ブルージェイズ)、ファン・ソト(ヤンキース)ら強打者たちと談笑する姿には風格が漂っていた。
「アーロン・ジャッジ(ヤンキース)もそうですが、『今回選ばれた選手の中で誰とプレーしたい?』とメディアに聞かれた際、多くの選手が大谷選手の名前を挙げています。メジャーを代表する豪華なスター選手がオールスターに出場する中で、球場のグッズ売り場に行くと、大谷選手のユニフォームが一番多く、他の選手の3倍近くありました。試合前にスタメンの選手が登場する時も、地元のテキサス・レンジャーズの選手たちに負けないくらいの歓声が送られていました。誰もが認めるスーパースターです」(同)