「野球、サッカー中継などではボールを追うため遠目からの撮影が多い。選手のズーム撮影が多いX系の方が露出度が高いのは間違いない。またどんなに優れたギアを開発、発売しても購入して使用するのが部活などの用途で使うだけでは意味がない。X系の場合は趣味で楽しむようなライト層やタウンユースでも購入しやすい。スケボー用のスニーカーは街で履けるが野球メーカーのトレーニングシューズは履けないですから」(在京テレビ局スポーツ担当)

 スポーツメーカーをはじめとして選手のスポンサーになる企業が一気に現れた。実際に競技をプレーする人向けのギアはもちろん、選手着用モデルのウエア、キャップ、サングラスなどには一般の人が使える商品も多い。メーカー側からすると売上に直結する効果的な宣伝ができ、選手側も活動環境を整えプレーに専念できる。お互いにwin-winの関係が築かれるようになった。

 X系スポーツが注目を浴びるようになると、選手をスポンサーする企業はスポーツメーカーだけでなくなってきた。ファッション、音楽などストリートカルチャーとの関係性が深いためヘッドホンなどの家電、車、エナジードリンクなど多岐にわたっている。

「野球は日本ではメジャーな競技ですが世界的にはプレー人口が少ないマイナー競技。X系は世界にどんどん広がりプレイヤーも増えている。スポンサー各社がX系に流れるのは当然です。これまで野球などに特化していた国内老舗スポーツメーカーも無視できなくなっている。今後、国内スポーツ界の勢力図にも変化が見られるはず」(X系に詳しい在米スポーツライター)

 北京五輪も新型コロナウイルスの影響で無観客開催となったが、開幕すると盛り上がりが出てきた。やはり五輪はサッカーW杯などと同様、国民的な盛り上がりを見せる。その中でもX系スポーツの注目度は若者だけでなく、全ての世代に認知されつつある。今後スポンサーからの投資が増えれば環境はさらに改善され強化も進む。好循環の真っ只中、現在進行形で伸び盛りのX系の選手たちに注目だ。

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