パリ五輪開催第3日目、日本はメダルラッシュだった。柔道男子66キロ級で、阿部一二三が五輪連覇を達成。スケートボード女子ストリートで、吉沢恋金メダルに輝き、赤間凛音が銀メダルだった。フェンシング男子エペ個人では、加納虹輝が優勝し、フェンシング個人競技で日本勢初の金メダルとなった。競泳男子400メートル個人メドレーは、18歳の松下知之が銀メダルに輝いた。29日(日本時間)の注目競技は男子ストリート・決勝。堀米雄斗、白井空良、世界ランキング1位の小野寺吟雲が出場する。スケボーなどのXスポーツにまつわる過去の記事を振り返る(「AERA dot.」2022年2月8日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。
【ランキング】北京五輪日本代表の出身大学、2位日大を大きく引き離して1位は?
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平野歩夢が北京五輪で金メダルを獲得し、夏季も含め五輪での注目度が増しているXスポーツ(X系)。エクストリームスポーツの略称で、速さ、高さなどの危険性や過激さの要素を盛り込んだ競技を指す。北京五輪ではスノーボード(スノボ)、フリースタイルスキーが該当する。ファッション、音楽などストリートカルチャーとの親和性も高く、東京五輪でもスケートボード(スケボー)、自転車競技・BMXが話題となった。
「(東京五輪では)X系はスマホの動画配信、SNSで拡散されバズりました。競技自体の面白さもそうですが、競技時間がコンパクトなのでYouTubeやTikTokにアップしやすいのも大きかった。また選手の着用ウエアやスニーカーもスタイリッシュで普段の生活、ストリートに直結している。北京五輪も同様の状況が予想されます」(大手広告代理店関係者)
東京五輪で正式種目となったスケボーでは堀米雄斗(男子ストリート)を筆頭に、日本選手団は4種目で金3個、銀1個、銅1個を獲得。競技の結果はもちろん、技の巧みさや選手たち自身のバックボーンにも脚光が当たり、大きな注目を浴びた。
「堀米が米ロザンゼルスに1億円の6LDKの大豪邸を建てていたことが話題になった。X系に対してはマイナー競技という認識を持っている人も多いが実際はNPB(日本プロ野球)などのトップ選手に負けない収入がある。知名度の高い選手は出場大会の賞金、個人についたスポンサーなどで年収1億円を超える選手もいる。北京五輪に出場するX系選手が富と名声を手に入れるケースも考えられる」(X系に詳しい在米スポーツライター)
北京五輪の正式競技となっているX系スポーツはフリースタイルスキーがエアリアル、モーグル、スキークロス、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアの6種目。そしてスノボがパラレル大回転、ハーフパイプ、スノーボードクロス、スロープスタイル、ビッグエアの5種目だ。
「メダルラッシュも期待されています。フリースタイルスキー、スノボの代表選手の多くは普段はプロとして世界中を転戦しており海外選手に比べても実績、経験値に遜色はない。五輪を目前に控えた今季も好調を維持、本番でも素晴らしい結果を残してくれるはず」(在京テレビ局スポーツ担当)