ロッテの先発陣を支える小島和哉

「他の選手の士気に影響する」

 投手としての能力が球界屈指であることは間違いない。だが、故障の多さが大きなネックになっている。高卒3年目の22年に129回1/3を投げたが、昨年は15試合登板で91イニング。首位争いをしていた7月下旬に左内腹斜筋損傷で戦列を離れたことは、チームにとって大きな痛手だった。今季の登板はまだ59回2/3で、100イニング以上投げている小島、種市に及ばない。自身初の規定投球回に到達するのは厳しい状況だ。

 気になるのはファンの反応だ。これだけの高い能力を持った投手に対し、復帰待望論が高まっているとは言えない。これは昨オフにポスティング・システムでメジャー挑戦を訴えたことが大きく影響している。

 ロッテファン歴30年という会社員の男性(45)は、「凄い投手であることは間違いないですが、チームにシーズンを通じて貢献していないのにメジャー挑戦を訴えた姿勢を見て複雑な気持ちになりました。1年目は1軍に帯同させて体力作りに専念させる異例の育成方針で、2年目以降も球数や登板数を管理するなど球団は大切に育ててきたのに、感謝の思いが伝わってこない。他の選手の士気に影響しますし、特別扱いする必要はないと思います」と話す。

 この男性に限らず、SNS上で佐々木に対する野球ファンのイメージが悪くなっているのが気になる。「令和の怪物」と形容された右腕は、大谷翔平ドジャース)のような世界を代表する右腕になることを期待されたが、今後の道のりは険しい。

「現行のルールではメジャーに挑戦の意思表明を示しても、25歳未満ではマイナー契約しか結べません。現在23歳の佐々木は結果を残したとは言えず、ロッテがポスティング・システムを認める可能性は極めて低い。マイナー契約で球団に入ってくる譲渡金が少ないという以前の問題です。個人的には『ロッテを優勝させてから、メジャーに行く』気概が欲しいですね」(スポーツ紙デスク)

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