オールスターゲームでMVPを獲得した佐藤都志也

リーグ2位だが防御率は5位

 今年のチームは打線が好調だ。319得点、チーム打率.252はいずれもリーグ2位。DeNAから移籍1年目のネフタリ・ソトがリーグトップの62打点をマーク。佐藤都志也、小川龍成、高部瑛斗が成長し、ベテランの角中勝也、岡大海は勝負強い打撃で貢献度が高い。ドラフト1位で入団以来伸び悩んでいた藤原恭大も2ストライク後にノーステップ打法を取り入れたことで、確実性が上がっている。

 一方で投手陣は不安を抱えている。チーム防御率3.31はリーグ5位、とくに救援陣の防御率3.60はリーグワーストだ。鈴木昭汰は32試合登板で1勝1敗3セーブ15ホールド、防御率0.59と抜群の安定感を誇るが、他の投手は集中打で大量失点を喫するケースが目立つ。先発陣も小島和哉が7勝7敗、種市篤暉が5勝5敗と貯金を作れていない。ただ、この両投手はファンから根強い人気を誇る。

「小島、種市はタフですからね。先発ローテーションを守って開幕から投げ続けている。能力を考えればもっと良い成績を残してほしいですが、2人は責任感の強い性格でバックを守る野手陣の信頼も厚い」(ロッテを取材するテレビ関係者)

 ロッテが首位を狙うためには、勝ち星が計算できるエースがほしい。その状況で、大黒柱として活躍してもらわなければ困る投手が、1軍のマウンドから1カ月以上遠ざかっている。佐々木朗希だ。

 佐々木は今季、9試合登板で5勝2敗、防御率1.96。5月28日に疲労回復の遅れで登録抹消に。6月8日の広島戦の復帰登板で6回1失点に抑えて今季5勝目を挙げたが、「右上肢のコンディショニング不良」で再び戦線離脱。今月26日から後半戦がスタートするが、1軍復帰のメドは立っていない。

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