業務上横領などで告発された「2000万円」
そして「2000万円」。22年の大石知事の選挙運動費用収支報告書には知事の自己資金の入金として2000万円が記載され、後援会の政治資金収支報告書にも知事からの借入金として2000万円が記載されており、「二重計上」ではないかと指摘された。
これについて7月10日、後援会の外部監査人とされる経営コンサルティング会社代表が、大石知事は後援会に2000万円を貸し付けた事実がないのに、貸し付けたことにして返済金として約655万円を受け取っていて、業務上横領などの疑いがあると長崎地検に告発した。
これに対して大石知事は17日、「誤って二重計上していた。後援会の借入金は誤った処理なので削除する」として、受け取った約655万円を返還することを明らかにした。
2000万円の刑事告発をした経営コンサルティング会社代表は、大石知事が「承認なく、多額の出金がなされた」と多額の資金が渡った先だと指摘した人物だ。
この代表は取材に対し、
「大石知事は一番ダメなカードを引いた。私は不透明なカネなど得ていない。反対に大石知事のカネの扱いが問題だ」
と話している。
以上のような大石知事にまつわる様々な政治資金疑惑について、長崎地検も関心を持って捜査を進めている。
長崎地検が県議を連日呼び出し
今年4月から5月にかけてのこと、長崎地検に連日、自民党の長崎県議が事情聴取のため、呼ばれるようになった。
「携帯電話に連絡が入り、『長崎地方検察庁』と言うからびっくり」
こう話すのは取材に応じた長崎県議。複数回、事情を聴かれ、携帯電話も任意提出したという。
「聴かれたのは、カネの流れが不自然だということ。郷原弁護士らが刑事告発している402万円のことはほとんど聞かれず、違うカネのことばかりでした」
郷原弁護士も、こう話す。
「私と上脇先生で告発したのは2年近く前。今、長崎地検が県議まで事情聴取しているとなれば、告発した容疑にプラスアルファ、何かあるのではないか」