長崎県の大石賢吾知事の「政治とカネ」に関する疑惑について、長崎県議会は7月19日、全員協議会を開いて知事をただすことを決めた。2022年2月の知事選で当選を果たし、全国最年少の39歳(当時)の知事として注目された大石知事。だが、その知事選から大石知事の疑惑は始まっていた。
22年の知事選にからんで、大石知事には「402万円」「286万円」「2000万円」という3つのカネにまつわる疑惑が出てきている。
公選法違反の疑いで告発された「402万円」
まず、「402万円」。知事選があった22年の6月、元検事の郷原信郎弁護士と、神戸学院大学の上脇博之教授の2人が、大石知事の選挙活動の「通信費」としてコンサルティング会社に支出された402万円は、電話に関する業務ではなく選挙運動の対価が含まれている可能性があるとして、公職選挙法違反(買収など)の容疑で長崎地検に告発状を提出したと発表。地検は同年10月にこれを受理した。
当初は選挙コンサルティング会社社長と大石知事陣営の出納責任者の2人が告発されていたが、郷原弁護士らは今年1月、「告発受理後も、違反の嫌疑を解消できるだけの資料の提出などがなかった」として大石知事も追加告発した。
迂回献金の疑惑が出ている「286万円」
次に「286万円」。政治資金収支報告書などによると、大石知事の後援会は、22年の知事選の直前、選対本部長を務めた自民党県議の後援会から286万円を借り入れ、同年12月に利息にあたる7万円余を加えて約293万円を返済したことになっている。
これについて、今年6月24日の県議会で「もっと早く返すべきだった」「利息にも違和感がある」などと政治倫理上の問題があると指摘された。
大石知事は、これについて同日、
「長崎県議会議員後援会から大石賢吾後援会への286万円の貸付の経緯」
という書面を公開した。