2019年、拘置所にいる朴被告に送られた娘からの手紙※画像の一部を加工しています

事件の日、子どもたちは現場を見ていた…?

 当日夕方に開かれた記者会見で、朴被告の母は、「私、今から家に帰って、子どもたちに今日のことをどう報告したらいいのか……。とてもつらいです」と涙をこぼした。

「(事件の日、)朴が赤ちゃんを抱いて子ども部屋に逃げこんできた姿を、上の子たちは見ているんですよ。だから子どもたちは、『パパは悪いことなんかしてない』『無罪になって帰って来る』って信じて待っているんです。当時小学3年生だった子はもう高校2年生です。一番下の1歳だった子は8歳になりました。あまりに残酷すぎます。上告したら、今度こそ正しい判断をしていただきたいです』

 朴被告の家族は、再びの有罪判決が出た日の夜をどのように過ごしたのか。翌19日、朴被告の母に改めて話を聞いた。

「私、朴が帰ってきたら、きのこが入った牛肉のおつゆを作ってあげようと思って材料を買っておいたんです。昔からあの子の大好物で、よく大きな丼ぶりで平らげていました。でも、裁判から帰ってきたら頭がフラフラしてしまって、次男(朴被告の弟)が『少しでも気晴らしになれば』と買ってきてくれたピザをみんなで食べました」

 家には、朴被告とその家族を長年支えてきた、朴被告の友人たちも集まってくれた。その際、朴被告のかつての職場の先輩にあたる一人が、「万が一有罪判決が出たら、これを子どもたちに読んでほしい」と朴被告から手紙を託されていたことを明かし、涙ながらに読み上げた。

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朴被告が子どもたちに宛てて書いた手紙