先日は、4歳の誕生日を迎えた長男と諏訪湖1周にチャレンジ。長男はストライダーで、5時間半かけて完遂した(撮影/編集部・川口穣)
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 「会いたい人に会いに行く」は、その名の通り、AERA編集部員が「会いたい人に会いに行く」企画。今週は自転車冒険家。小口良平さんに、元青年海外協力隊員の記者が会いに行きました。

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 良平君に初めて会ったのは2011年、ウズベキスタン。当時、良平君は自転車で世界一周中、私は青年海外協力隊(現:JICA海外協力隊)員だった。私の任地は地方都市だったが数カ月に一度首都に上がる機会があり、そのとき誘われた食事の席で良平君と顔を合わせた。経緯はうろ覚えだが、隊員の誰かが他国の日本人から良平君を紹介されたらしい。その後、良平君は1週間くらい自転車を漕ぎ、私の任地にも足を延ばしてくれた。ウズベキスタンには外国人旅行者の宿泊に規制があり、家に泊まってもらうことはできなかったが、日本のルーでカレーをつくり、ビールを飲みながら一緒に食べた。

 良平君はその後も旅を続け、157カ国、約15万5千キロを走破して16年に帰国した。帰国直後に1度会う機会があり、17年には私が編集者をしていた雑誌にエッセイを書いてもらったものの、その後はやり取りもないまま数年が過ぎた。ただ、結婚した、子どもが生まれたというライフイベントはSNSで目にしていた。実は良平君の奥さんの麻利子さんとも、私は12年にトルコで会っている。麻利子さんはバックパッカーで、良平君とはその後、エジプトで出会ったらしい。そんな縁もあり、機会があればまた会いたいなとずっと思っていた。

 するとおもしろいもので、良平君が暮らす長野県辰野町に縁ができ、2年ほど前から年に数回足を運ぶようになった。去年、思い切って連絡して良平君とは7年ぶり、麻利子さんとは11年ぶりに再会した。そして先月、また辰野を訪れる機会があったので、良平君一家に会ってきたのだ。

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