レイカーズで活躍する八村(写真:AP/アフロ)

 前出の2人に加え、河村勇輝、富永啓生にも注目したい。バスケ選手としては小柄な部類に入るが、両者は7月に入って立て続けにNBAチームとエグジビット10契約を結んだと発表。いわゆる本契約ではないが、過去には渡邊がこの契約から本契約をつかみ取るなど、NBAのコートに立つための重要な足がかりになる契約だ。富永はNBA入りの目標をかねてより公言、河村は昨年のAERAの取材に「国内で得るものが少なくなったときが海外挑戦のタイミング」と語っていた。パリ五輪は選手の見本市にもなるだけに若手の野心も燃え盛る。

 男子日本代表は1次リーグで7月27日にドイツ、30日にフランス、8月2日にブラジルと対戦する。いずれも格上の相手で苦戦は必至。「パリ五輪で結果を残すことができれば、そこで初めて世界と遜色ないと言えるようになる」と河村は決意を語った。史上最強アカツキジャパンはどんな戦いを見せてくれるか。W杯以上の熱狂と興奮を期待したいところだ。

 女子バスケには男子以上の期待が寄せられる。東京五輪では史上初の銀メダルを獲得。当時のメンバーがパリでも中心を担い、メダル獲得は射程圏内だ。

 東京五輪でアシスト王に輝いた司令塔の町田瑠唯が代表に復帰し、チーム1の身長を誇るベテラン・高田真希も健在。7月4、6日に行われた国内最後の強化試合ニュージーランド戦では快勝を収め、弾みをつけている。どこからでも、面白いようにポンポン入る3点シュートは見ていて爽快感たっぷりだ。

 1次リーグでは東京五輪決勝で敗れた米国と同組になり、7月29日の初戦でぶつかる。町田は言う。

「東京五輪でのアメリカ戦は、すべて後手に回り立て直しができないまま終わってしまった。でもパリは東京と違う。代表に残ったら金メダルを狙いに行きます」(AERA7月1日号)

 ここでの戦いぶりが、再びのメダルに届くかどうかの試金石となるだろう。(編集部・秦正理)

AERA 2024年7月22日号より抜粋

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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