7月から自身のドキュメンタリー映画が公開される

「アメリカでも嫌われてます」

 1999年のNSC入所時は目立たない存在だったという村本。卒業後もなかなか相方が定着せず、落ちこぼれ同士で中川パラダイスと組んだのがウーマンラッシュアワーだった。しかし、2013年の「THE MANZAI」で優勝すると、テレビに引っ張りだこ状態に。そのまま芸能界を駆け上がっていくかと思いきや、途中から村本の過激な言動が目立ち始め、次第に炎上芸人として見られるようになった。

「原発や沖縄の基地問題など政治問題を漫才のネタにし始めた17年頃からテレビ出演が激減しました。『お笑いに政治ネタを持ち込むな』と考える視聴者も多く、アンチも急増していきます。こうして20年のテレビ出演はたった1本になり、以降は名実ともに“消えた芸人”となりました。一方、村本さんに密着した『村本大輔はなぜテレビから消えたのか?』というドキュメンタリー番組が放送されたのですが、そこには現場に足を運び、当事者の生の声を笑いとして届け続ける彼の姿がありました。同番組は高評価を得て、『2021年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組 最優秀賞』を受賞したほどです。こうした中、政治や宗教などが当たり前のようにネタにされているアメリカを目指すようになり、2021年末にニューヨークへの移住を宣言。『世界をコメディで監視する』との誓いに、ファンからはエールが寄せられました」(放送作家)

 だが、ビザ取得が難航し、昨年11月になってようやくアーティストビザが取れたことで、渡米することができた。それから現在まで、現地のライブハウスなどで地道に活動を続けている。村本は映画『アイアム・ア・コメディアン』で、「俺はコメディアン、テレビに出ているタレントとは違う」と言い切っているが、日本に帰ると、年間600ステージのペースで黙々と舞台に立ち続けているという。アメリカでは毎晩コメディークラブを渡り歩き、英語が下手なことを観客から指摘されると「2年目の英語のヤツよりも、生まれもって英語をしゃべれるお前のほうが笑い取れないってどういう気持ち?」と逆にいじって「アメリカでも嫌われてます」(映画の公開初日舞台あいさつでの発言)とのこと。本人はいたって真面目にお笑い道を歩んでおり、自身の芸人道を邁進しているようだ。

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カタコト英語でも観客は爆笑