楽天の安田

 ブライトは上武大からドラフト1位で中日に入団し、今季が3年目。6月11日に1軍昇格したが4試合出場で打率.111、0本塁打と結果を残せず、1週間も経たずに登録抹消された。ウエスタン・リーグでは65試合出場で打率.251、1本塁打、16打点、8盗塁。中日の外野陣は右翼の細川成也をのぞいた2枠でレギュラーが固まっていない。リードオフマンとして計算していた岡林勇希は60試合出場で打率.188、0本塁打、2打点、4盗塁と打撃不振から抜け出せない。ブライトはファームで結果を残せば、1軍で再びチャンスが巡ってくる可能性が十分にある。

「天性のホームランアーチスト」

 他球団の評価が高い選手がパ・リーグにもいる。楽天の安田悠馬だ。身長185センチ、体重105キロの恵まれた肉体から豪快なスイングで鋭い打球を放つ。本職は捕手だが、打撃を生かして一塁を守ることも多い。昨年は53試合出場で打率.218、3本塁打、7打点と頭角を現したが、3年目の今季は1軍出場なし。イースタン・リーグで打率.283、5本塁打、34打点をマークしている。

「天性のホームランアーチストですね。安田の魅力は逆方向の左翼にも打球が伸びること。身体能力は申し分ないので、1軍の投手に慣れるまで使い続けられるかでしょう。強打の捕手として魅力ですが、打力を生かして一塁、指名打者で起用する選択肢がある。一塁の守備が不安定なことが1軍に昇格できない理由かもしれませんが、あれだけ振れる選手はなかなかいない。30本塁打をクリアできる可能性を十分に秘めています」(セ・リーグのプロスカウト)

 楽天は捕手が太田光、石原彪がスタメンマスクをかぶる機会が多い。太田が正捕手の座を固めつつある中で、球団は安田をどう育成していくだろうか。

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2軍で4年連続本塁打王の「帝王」は