ソフトバンクのリチャード(右)

ソフトバンクではチャンスが…

 「2軍の帝王」となっている選手が、ウエスタン・リーグで昨年まで4年連続本塁打王を獲得しているソフトバンクのリチャードだ。長距離砲としての資質は共に自主トレを行った山川穂高が一目置くほどだが、1軍に定着できない。今季は15試合出場で打率.226、0本塁打、1打点。6月3日にファーム降格となった。一塁、三塁を守るが、一塁は山川、三塁は栗原陵矢という不動のレギュラーがいる。指名打者は守備の負担を軽減するために山川、近藤健介が入ることが多く、1軍定着は容易ではない。

「性格的にはちょっと抜けている天然キャラですが、野球に向き合う姿勢はストイックです。入団当初は意識の甘さが見られましたが、山川と自主トレを行ったことで色々考える部分があったのでしょう。研究熱心ですし、ボール球をあっさり空振りする淡泊な打席が少なくなった。ただ層の厚いソフトバンクではなかなかチャンスが……。長距離が不足している球団で起用してもらえれば、細川のように覚醒する可能性が十分にあります」(福岡のテレビ関係者)

 ブライト、安田、リチャード……大きな才能を潜在させている選手はまだいるだろう。「金の卵」たちがチームの中で覚醒するか、あるいは環境を変えることで花開くか。プロの舞台にいる間に、大輪の花を咲かせてほしい。

(今川秀悟)