ヤクルトと契約を延長したオスナ(右)とサンタナ(左)
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 6月21日、ヤクルトはドミンゴ・サンタナ、ホセ・オスナの2人との契約延長を発表した。近年はどの球団も好成績を収める野手助っ人の獲得に苦戦しており、今季も“優良ぶり”が目立つ2人を早い段階で囲い込んだ形だ。(以下、文中の成績は7月4日終了時点)

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 来季から新たに3年間の契約を延長するという“電撃的”な発表となったが、同球団フロントの迅速な動きには賛辞の声が聞こえてくる。

「(今季はチームが下位に低迷しているが)2人は気持ちを切らさないで一生懸命やっている。来季以降も新たにチームを作っていかなければいかない中で2人がいるのは本当に心強い」(ヤクルトOB)

 ヤクルトは山田哲人、村上宗隆という主軸2人の調子が上がらない中、なんとか踏ん張れているのは2人の助っ人の存在が大きい。今季はサンタナが75試合に出場してリーグトップの打率.313、同3位タイの11本塁打、同1位タイの42打点と三冠王を狙えるほどの好調ぶり。一方のオスナも75試合の出場で打率(.249)こそ高くはないが、リーグ5位の10本塁打、サンタナと並びトップタイの42打点を挙げるなど、“投高打低”が顕著となっているシーズンで際立った成績を収めている。

 ともに今季が4年目となり、サンタナは怪我で長期離脱するシーズンはあったものの常に安定した打棒を披露しているのはチームにとって非常に心強い。

「打点を見ればわかるが2人ともチャンスに強く頼りになる。試合中は冷静さを保ちながらも、攻守で勝利に対して貪欲にプレーする。練習態度も素晴らしく若手選手のお手本にもなっている」(ヤクルト関係者)

 サンタナは本拠地での試合時は室内練習場での早出特打を欠かさない。オスナも打撃練習のみでなく汗まみれで内野ノックを受けるのが日課。成績はもちろん、グラウンド外での態度も2人は絵に描いたような優良外国人だ。

「いずれの選手も来日1年目(2021年)のオフにNPB他球団への移籍やMLB復帰の噂もあり、ヤクルト退団が濃厚とも思われていた。だが、その後も同チームでプレーを続け、(今シーズンの早い段階で)新たに3年契約を締結したのには驚かされた」(在京球団スカウト)

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2人は球団の“最強レベル”の助っ人に?