カブスの鈴木誠也

ゴジラ松井もメジャーでは中距離打者に

 日本球界から強打者、巧打者が多く海を渡ったが、成功したと言える選手はそれほどいない。

 ヤンキースで松井秀喜を取材した番記者は、「彼はクラッチヒッターとして本当に勝負強かった。イチローと松井は印象に残っている日本人選手だ。あとマリナーズでプレーした城島健司もいい捕手だったね」と振り返る。

 日本球界で長距離砲として活躍した松井も中距離打者にシフトした。松井だけではない。岩村明憲(レイズなど)、井口資仁(ホワイトソックスなど)も長打に固執せず、打線の「つなぎ役」として首脳陣の信頼を勝ち取った歴史がある。

 日本とプレーしている時とスタイルを変えず、米国でもスラッガーとして活躍している選手は大谷ぐらいだろう。今年のシーズン途中にDeNAに復帰した長距離砲の筒香嘉智もメジャー3年で通算.197、18本塁打、75打点と思い描いた活躍ができなかった。ではコンタクト能力に活路を見出した方がいいかというと、それほど簡単な話ではない。

「イチローのようにメジャーで前人未到の10年連続200安打を打つ選手は別枠ですが、一塁、三塁、外野の両翼を守る選手はある程度の長打力が求められます。二遊間は守備力が重視されますが、このポジションで日本人選手がレギュラーを勝ち取るのは非常に難しい。中南米系の選手は身体能力が高く、どんな体勢からも力強い送球ができる。松井稼頭央、西岡剛と日本の名ショートたちがメジャーに挑戦しましたが守備で通用しなかった。侍ジャパンは昨年のWBCで世界一に輝きましたが、野手としてメジャーで通用する日本人選手はまだまだ出てこないのが現実です」

 NPBで現在プレーする選手の中で、メジャーに最も近いと評されているのが村上宗隆ヤクルト)と岡本和真巨人)だ。

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