これまでの体験を通じて「何を得たか」「どうトライしたか」を自分の言葉で語ってもらうことを大事にしているという。
「研究は失敗の連続です。うまくいかないから、試行錯誤を繰り返すのです。だからこそ挑戦心をもって主体的に生きることが大切で、そこに伸びしろがあります」
面接のスタイルは学部、学科によって異なるが、理学部数学科2年の男性が、AO入試を受験したとき、ある「間違い」を犯したという。
「7人くらいの先生を前に、教室の黒板を使って、先ほどの筆記試験の解答の手順を説明しました。そのとき『そこが違うんじゃない?』とヒントをもらい、その場で解き直しをしました」
間違えたから悪い印象を与えたんじゃないか。そう思ったが、合格だった。
「高校までの数学は間違えたら点数が引かれましたが、大学に入ったら間違えることは当たり前でした。間違えたときに、何ができるかが大事だったと思います。入試では、その場で書き直して、きちんと説明できた、ヒントを理解できたことを示せたことがよかったです」(男性)
(編集部・井上有紀子)
※AERA 2024年7月8日号より抜粋