東北大学には年内入試の合格者を対象としたアメリカやイギリスでの海外研修プログラムがある(写真:東北大学提供)

 これまでの体験を通じて「何を得たか」「どうトライしたか」を自分の言葉で語ってもらうことを大事にしているという。

「研究は失敗の連続です。うまくいかないから、試行錯誤を繰り返すのです。だからこそ挑戦心をもって主体的に生きることが大切で、そこに伸びしろがあります」

 面接のスタイルは学部、学科によって異なるが、理学部数学科2年の男性が、AO入試を受験したとき、ある「間違い」を犯したという。

「7人くらいの先生を前に、教室の黒板を使って、先ほどの筆記試験の解答の手順を説明しました。そのとき『そこが違うんじゃない?』とヒントをもらい、その場で解き直しをしました」

 間違えたから悪い印象を与えたんじゃないか。そう思ったが、合格だった。

「高校までの数学は間違えたら点数が引かれましたが、大学に入ったら間違えることは当たり前でした。間違えたときに、何ができるかが大事だったと思います。入試では、その場で書き直して、きちんと説明できた、ヒントを理解できたことを示せたことがよかったです」(男性)

(編集部・井上有紀子)

AERA 2024年7月8日号より抜粋

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