スキマスイッチの大橋卓弥さん(左)、常田真太郎さん(右)。2023年7月9日にデビュー満20年を迎えた(撮影/品田裕美)
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 「奏(かなで)」(2004年)、「全力少年」(2005年)など、リリースから20年ほどたつ今でもずっと聴き続けられているヒット曲を持つスキマスイッチ(大橋卓弥、常田真太郎によるソングライター・ユニット)。今年2月にリリースされた楽曲「Lovin’ Song」がドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」(テレビ朝日系)主題歌として話題を集めるなど、デビュー20周年を迎えた現在も精力的な活動を続けている。

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 Official髭男dism、マカロニえんぴつ、Ayase(YOASOBI)、藤井 風といったアーティストから「リスペクトしている先輩アーティスト」「最初に好きになったJ-POPの一つ」として名前が挙がることも多く、J-POPシーンにおける影響力はきわめて大きい。

「若いアーティストから『スキマスイッチを聴いて、音楽をはじめました』と言ってもらえることも増えてきて。もちろんうれしいですし、“20年続けるって、こういうことなんだな”と感じています。(音楽シーンのなかで)自分たちのスペースみたいなものもできて、どう立ち振る舞えばいいかもわかってきたんですけど、一方で“このままでいいのかな”という葛藤もあるんですよ。新しいことにもどんどん挑戦しないと」(大橋)

CDからサブスクやSNSへ。音楽の聴かれ方の変化

 スキマスイッチがデビューしたのは2003年。その後の20年で音楽の聴かれ方は大きく変わった。当時はまだCDが中心だったが、今はサブスクや配信、YouTubeやTikTokなどで音楽を聴くのが主流。“タイパ”を重視する傾向(できるだけ効率的にコンテンツの内容を知りたい)に合わせ、“イントロをできるだけ短くする”“曲のサイズもコンパクトに”という流れもあるが、スキマスイッチの二人は「詞と曲にふさわしいアレンジにするべきだ」という考えを貫いているようだ。

スキマスイッチの大橋卓弥さん(左)、常田真太郎さん(右)(撮影/品田裕美)

「音楽の作り方に決まりはないけど、イントロがあって、平歌とサビがあって、間奏から楽器の音がしっかり聴こえて、またサビに戻る……という形が自分たちにとっては自然なんですよね。聴きやすくするために曲を短くするというのは、僕らにとっては違うのかなと」(大橋)

「大事なのは“詞と曲を届ける手段として、何が必要か?”ということですよね。“この曲はイントロがないほうがいい”と思えばそうするし、歌詞とメロディーにふさわしいアレンジを選ぶべきだと思うので」(常田)

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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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