スキマスイッチの大橋卓弥さん(左)、常田真太郎さん(右)。2024年7月に10枚目のアルバムをリリースする(撮影/品田裕美)

 Mr.Children、槇原敬之、KAN、スピッツなどをルーツに持つスキマスイッチは、80年代~90年代のJ-POPを今につなぎ、下の世代に受け渡す役割を担っているようにも思う。そのことについて聞いてみると、「どうなんでしょうね」(大橋)と少し苦笑しつつ、こんなふうに答えてくれた。

「20年やってきて、自分たちが作りたいものを作れるようになって。それはいいことだと思うんですけど、今の若いアーティストと僕らの音楽が(若いリスナーに)同じように聴こえているとは思っていないんですよ。それは自分が子供の頃、父親が車で流していた吉田拓郎さんや浜田省吾さんの曲を聴いて、“大人の音楽だな”と思っていたのと同じなんだろうなと。もちろん若い人たちにも聴いてほしいですけど、自分たちを偽って作った曲を残すのは絶対にイヤなんですよ。そのあたりはすごく難しいし、ずっと考えていることでもあって……そういう年齢になってきたということでしょうね(笑)」

「たとえば新しい曲を出したときに、〈昔のスキマスイッチのほうがよかった〉と言われるのはやっぱり寂しい。〈今もこんなにいいんだね〉と思ってもらえる曲を届けられるようにがんばりたいですね」(常田)

(取材・文/森 朋之)

スキマスイッチ/大橋卓弥(Vo, G)、常田真太郎(Piano, Cho)のソングライター2人からなるユニット。2003年7月に「view」でデビューして以降、「奏(かなで)」「全力少年」などヒット曲を次々と生み出す。2013年7月にデビュー10周年を迎え、同年8月に初のオールタイムベストアルバム「POPMAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~」を発表。2023年7月にはデビュー20周年を記念した3枚組ベストアルバム「POPMAN'S WORLD -Second-」をリリースした。2024年7月10日には、SUKIMASWITCH 20thAnniversaryとした10枚目のアルバム『A museMentally』を発売。7月13日、14日には地元である愛知・Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で初の主催フェス「スキマフェス」を行うなど、精力的な活動を続けている。

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森朋之

森朋之

森朋之(もり・ともゆき)/音楽ライター。1990年代の終わりからライターとして活動をはじめ、延べ5000組以上のアーティストのインタビューを担当。ロックバンド、シンガーソングライターからアニソンまで、日本のポピュラーミュージック全般が守備範囲。主な寄稿先に、音楽ナタリー、リアルサウンド、オリコンなど。

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