元総務省、現freee金融渉外部長兼プロダクトマネージャー:小泉美果さん

小泉美果:私は平成19(2007)年に総務省に入省し、配属先は「行政管理」という分野でしたが、当時、女性が少なく、いわゆる「かわい子ちゃん」みたいな扱いをされるので、すごく嫌だし、しんどかったですね。

河村:確かに、厚労省でも私が20代の頃のほとんど女性がいなかった時代は、たまに自分は女性だな、と意識することもありましたが、ここ15年ぐらいは意識したことがなくて。なぜかと考えると、女性の採用数が増えて、女性の管理職が当たり前にいて、性別による違いよりは個人差の方がよっぽど大きいという感覚が自然に生まれていったからかもしれません。

母親像への期待大きい

白井:職場に15%しか女性がいないと“女性”と見られますね。35%が、「女性」と総称されなくなるティッピングポイント(転換点)と言われています。キャリアの最初に厚労省で「働く女性というもの」を間近で見られたことは、本当に幸せな経験であり、その後の人生における大きな分岐点だったと最近強く感じています。

小泉:私は総務省に12年間いましたが、シングルマザーということもあって、子どもが小さいころは、周囲に特別扱いを求めているとか、難しい仕事をアサインしにくいとか、ネガティブに捉えられるのが怖くて、職場では子育てを理由に仕事を断ることを極力避けていました。同時に、いわゆる「母親業」も完璧にやらねば、と思っていました。恥ずかしながら、当時は自分にとってベストな働き方を考える余裕もありませんでした。

白井:小泉さんも子連れで留学もされているんですね。

小泉:ひとり親なので連れていくという選択肢しかなかったのですが、留学に行っていなければ、働き方や子どもとの関係を見直せていなかったかもしれません。留学中に日本は母親像に対する期待がとても大きいって気づいて。その後、民間企業のフリーに移り、いまは大学でも授業をもっていますが、管理職・教員として、自分が感じていた息苦しさを他の人が繰り返さなくて済むように、「私も失敗しながら育休やら留学やら転職やらギアチェンジしてきた。働き方のギアチェンジは、ライフステージに変化があってもなくても、自分でやりたいようにやっていい」という等身大のメッセージをもっと伝えていかないといけないと思っています。

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