現役官僚と、官僚出身で民間企業で働く管理職の女性たちが、ここ十数年での働き方の変化や、キャリアを積んでいくうえで大切なことなどを語り合った。AERA 2024年7月8日号より。
【鼎談者プロフィール】
元厚労省、現ベネッセ・女性キャリア支援事業部長の白井あれいさん
2003年、厚生労働省入省。法改正担当を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーに転職。子連れでの大学院留学、資生堂を経て20年ベネッセ入社。新規事業等担当。中2、小3の母
こども家庭庁虐待防止対策課長の河村のり子さん
1999年、厚生省(当時)入省後、内閣官房働き方改革推進室企画官などを務める。2014年「霞が関で働く女性有志」のひとりとして「『霞が関的働き方改革』のための10の提言」を発表。中3、小6の母
元総務省、現freee金融渉外部長兼プロダクトマネージャーの小泉美果さん
2007年、総務省に入省、内閣官房やOECDに出向。総務省ではデジタルガバメントや働き方改革を担当。19年フリー株式会社入社。21年から日本金融サービス仲介業協会理事。中3の母
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白井あれい:私は平成15(2003)年に厚生労働省に入省しましたが、私たち、夕方になったら、上司のお湯割り作ったりしたじゃないですか。
河村のり子:私は平成11(1999)年の入省だけど、それはなかったけど(笑)。職場でビール飲んじゃうおじさんはいたし、「昭和」でしたね。
白井:さすがに今はそういうのはないでしょうけどね。若手の頃、女性は上の人から飲みに行くぞと呼ばれるから夜になると隠れたりして。
河村:それも私はなかったけど(笑)。あの頃は、まだ働く女性のロールモデルのバリエーションが偏っていたころですよね。ごく一部、子育てされている方もいたけど、完璧すぎるように見えて、自分はとてもこうはなれないって思い悩んでいました。その後、子育てと両立させている女性も増え、工夫しながら、自分で仕事の終わりのリミットを設定するなどして自律的な働き方をするメンバーが増えた。それに伴って組織の仕事の回し方も変容したと思います。夜じゃないとできない仕事なんて、たいしてないですから。