複数の力のある投手を揃え、右腕の鈴木耀斗(3年)と左腕の古賀直己(3年)は140キロを超えるスピードを誇り、下級生の頃から経験豊富な左腕の石井晴翔(3年)はスライダーが大きな武器だ。また、中軸を任される山根大翔(3年)、桜井ユウヤ(2年)も注目の強打者である。花咲徳栄、浦和学院など県内のライバルは強力だが、初出場のチャンスも十分にありそうだ。また同じ埼玉では山村学園も近年コンスタントに上位進出しており、面白い存在と言えるだろう。

 全国で最多の出場校数を誇る愛知では近年、愛知啓成(2006年春)、至学館(2011年夏、2017年春)などが新興勢力として甲子園出場を果たしているが、今年チャンスがありそうなのが豊橋中央だ。開校は1923年と古いものの長年女子校で、共学となり、現在の校名になったのは1997年。野球部は2002年創部とまだ歴史は浅い。

 2013年頃から徐々に県内で上位進出するようになり、谷川原健太(2015年ソフトバンク3位)、中川拓真(2020年オリックス5位)、星野真生(2021年中日5位)とたて続けにNPBに選手を輩出。昨年秋には県大会で3位となり、創部以来初となる東海大会出場を果たした。右腕の内山京介(3年)は140キロ台中盤のスピードをマークする本格派で、他にも前島史弥(3年)、小栗遥大(3年)と力のある投手を複数揃えているのが大きな強みである。春の県大会はなかなか得点が奪えずに3回戦で敗れただけに、打線の奮起が夏の大きなポイントとなりそうだ。

 高校野球では指導者の異動によって勢力図が変わるケースも多いが、そういう意味で注目を集めているのが磐田東(静岡)だ。1994年創部で、2011年夏には静岡大会で準優勝を果たすなど県内では上位に進出することも少なくないが、そんなチームに今年4月から盛岡大付(岩手)、健大高崎(群馬)でコーチとして実績を残した赤堀佳敬監督が就任したのだ。

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今年はどこの新興チームが甲子園を湧かせてくれるか