自著で赤裸々に語った性生活
2007年に闘病体験をつづった著書「子宮会議」には、恋愛に溺れ、自身の“女性性”を浪費していた過去を振り返ったり、術後に自慰行為に挑戦しようとしたところ全く体が反応せずに切ない思いをしたりしたことなど、闘病だけでなく、ひとりの女性の生きざまがつづられている。がんによって生死と向き合い、子宮を喪失した生々しい経験が、時折ファンタジックな表現を交えた軽やかな筆致で描かれており、単行本として発売された後、文庫本、電子書籍版と、さまざまな形で読み継がれている。
「入院生活では、何度も『ネガティブなブラックホール』に引きずり込まれそうになったそうですが、『もっと生きて、夢を見て、なにかを生まなければ』と思ったとインタビューで語っていました。病におかされたからこそ、洞口は改めて自らの“女性性”に向き合い、文章にイラストに音楽にと貪欲に新たな道を模索してきたのでしょう。別のインタビューでは、女性の象徴としての子宮を失ったことで、自身の『核にある女の部分をぐーっと引っ張ってくれるような、私に女を感じさせてくれるような性を体験したい』という言葉が印象的でした。それによって、人間として幅を広げていくことができるとも語っていました」(女性週刊誌の記者)
先に紹介した「徹子の部屋」では、来年に還暦を控え「早くおばあさん役をやりたいと思っていたので、どしどしとやっていけると思います」と心境の変化を語っていた洞口。今年は、ディズニープラスで全世界配信されたハリウッド制作の時代劇ドラマ「SHOGUN 将軍」にも出演。戦国時代末期にインスパイアされた世界を描く本作では、主演の真田広之が徳川家康をイメージした武将・虎永を演じ、洞口はその正室・桐の方を好演した。史実では家康の側室であり政治的にも良きパートナーであった阿茶局にインスパイアされた重要な役柄だ。