27歳ごろの洞口依子さん(1992年)

起用したい業界人は多い

「米映画批評サイトでも配信開始直後に批評家スコアが100%を記録し、シーズン1全話の放送が終了しても90%台と高い評価を得ています。7月のエミー賞ノミネート発表では日本人最多ノミネートが期待されており、今年は台風の目になるのではないかと言われています。番組自体もシーズン2&3の制作が決定するなど勢いがあります。リンパ浮腫の悪化という健康上のトラブルを抱えつつ、1年近い海外ロケに挑戦し、女優魂を見せつけた洞口の評価も今後上がっていくことが期待されます」(前出の映画ライター)

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏は洞口についてこう述べる。

「洞口さんは海外で話題の『SHOGUN 将軍』で改めて注目を集めていますが、闘病からの復帰後はサスペンスドラマで活躍しています。もともと、黒沢清さんや伊丹十三さんら名監督、久世光彦さんといった名演出家からの信頼が厚いことでも有名ですが、09年にデビュー25周年を記念して開催された『洞口依子映画祭』では、多くのクリエイターや関係者がコメントを寄せたほか、『マルサの女2』や『カリスマ』などの出演作が上映されて多くのファンが駆けつけました。今でも根強いファンがいて、起用したいという業界人も多いでしょう。今後もさらに存在感を放ってくれそうです」

 病と付き合いながらも年輪を重ねてきた元祖妖艶系女優が見せる女の生きざまに期待したい。

(雛里美和)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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