このような原価200円程度の晩酌セットを5分で整えることなどやれば誰でもすぐできます(写真:本人提供)

 それは、全ての人が家事をすることである。性別関わらず、炊事洗濯掃除、自分の身の回りの始末は自分でつけることを当たり前にする。お母さんが家族の生活を一手に引き受け面倒をみるのでなく、全員が自立するのである。

 その効果は全く絶大である。労働の前提条件に男女格差はなくなり女性活躍など普通のこととなろう。女性だけにかかりがちな結婚の負担も減り少子化の歯止めにもなろう。自立した男性が増えれば高齢者支援にかかる負担も減るはずである。また自立している人は誰かに威張って見せずとも自尊心が保てるので、カスハラやDVなどやりきれない暴力も減るはずだ。そして、こんなに効果絶大なのに予算ゼロで達成できる。要はやる気の問題なんだから。

 こんなにスーパーなアイデアなのに誰も言い出さないのはなぜなのか。それは我が国の偉い方々が家事をしてないからじゃないかと私は疑っている。首相、家事してます?

AERA 2024年6月17日号

著者プロフィールを見る
稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

稲垣えみ子の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「集中できる環境」整っていますか?子どもの勉強、テレワークにも役立つ環境づくりのコツ