現状、札幌と京都に危険信号が灯っているが、今季からはJ1の下位3クラブがJ2自動降格となる。そして、その降格圏内3チーム目となる17位が、湘南ベルマーレ(勝点14:3勝5分け9敗)となっている。2018年からJ1で13位、16位、18位、16位、12位、15位と残留争いを繰り広げながら残留を続けてきたが、今季はこれまで以上に苦しい戦いとなっている。

 選手個々を見ると、田中聡、畑大雅、平岡大陽といった20歳過ぎの若手が奮闘を続け、18歳のFW石井久継もデビューを果たしている点、さらに昨夏にチームに加わった23歳FW福田翔生が6得点と覚醒気配だが、町野修斗、大橋祐紀のかつての2トップが流出した影響は隠せず。まだまだ攻撃が迫力不足で、善戦しながらもなかなか勝ち切ることができていない。昨季はシーズン終盤6試合を4勝1分け1敗と立て直してJ1に残留したが、それよりも早い段階でチーム全体が危機感を持たなければならないだろう。

 消化試合が1試合少ないが、17位のサガン鳥栖(勝点14:4勝2分け10敗)も苦しい状況は同じだ。2017年からJ1で8位、14位、15位、13位、7位、11位、14位という成績。毎年のように主力が他クラブに引き抜かれ、降格候補に挙げられながらも“残留力”を発揮して来たが、果たして今季はどうなるか。リーグトップの総走行距離を誇るボランチの河原創が中盤で奮闘し、新助っ人のブラジル人FWマルセロ・ヒアンも徐々にチームにフィットして能力の高さを見せている。

 だが、「試合内容が良くても結果が出ない」という状況は、実は危険を伴う。今後は「内容が悪くても勝点を奪い取る」試合をいかに増やせるか。横山歩夢、樺山諒乃介、中原輝、本田風智という2列目の人材のコンディション整備とともに、球際の厳しさを徹底し、20チーム中18位の1試合平均1vs1勝利数、さらにリーグ最下位の1試合平均こぼれ球奪取数を改善する必要がある。

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今季は優勝争いとともに残留争いも熾烈に