
自分で自分を語れる力を磨く。
自分自身と対話をする「ひとり時間」、ぜひ習慣として取り入れてみてください。
「自分の感情」の理解は「他人の感情」の理解にもつながる
自分の感情にしっかりと向き合う時間を重ねていくと、自分自身の「感情のクセ」がわかってきます。
どんなことにワクワクし、エネルギーをもらえるのか。逆に、何にフラストレーションを感じるのか。
好き嫌いも含めて自分の感情の傾向を知ることができれば、対話の場面でもそれを明確に相手に伝えることができます。
「僕はこういう考えは、正直言ってあまり好きではありません。なぜなら、以前、こういう出来事があったからです」
などと、自分の言葉で価値観や体験を語れる自信がつき、相手にも伝えることで、お互いに本音を交換できる時間が生まれます。
「自分の感情」を理解することは、「他人の感情」の理解にもつながります。
それに、一つの出来事に対する感じ方について、単に漠然と「どうですか?」と質問するよりも、「私だったらこう感じるのですが、あなたはどうですか?」と一つのサンプルとして投げかけるほうが、相手も答えやすくなるはずです。
ふり返れば、私は幼少の頃から「自分と他人の価値観の違い」に敏感でした。
父がイラク出身だったというのにも少なからず影響を受けていると思います。
加えて、その父は単身赴任で年に数回しか日本に帰ってこなかったために、たまに一緒に過ごすたびに会話の端々から「生活文化の違い」を感じ取っていたのだと思います。
考え方や価値観はたった一つではなく、その人固有の体験やバックグラウンドに基づくものである。
文化、宗教、人種など、多様性を尊重し、物事を多角的に捉えることは極めて重要なのだ――。
多様であることが自然である。
そんな理解が、私の対話のベースとなっています。